材料の出所と用途適合を証明する 徹底完全解説(保存版)
この記事は、3Dプリント製品を売る前に「材料の出所」と「用途適合」をどう固めるかを、STEP形式で通しで解説します。用途判定から、材料の特定、資料の入手、造形での品質確保、表示、記録・保存までを一本で扱います。
STEP1:用途を確定し、かかる法規の当たりをつける
まず誰がどう使う製品かを言語化します。食品に触れるか、口や肌に触れるか、電気・熱・可燃物が絡むか、子ども向けか、屋外か。用途によって当たる枠組みが変わります。食品接触なら食品衛生法系、電気製品ならPSE系、子ども向けは玩具の安全枠組みなど。
STEP2:材料を「製品名・グレード・ロット」まで特定する
「PLA」ではなく「○○社 △△(型番)ロットXXXX」まで落とします。同じPLAでも製品ごとに添加剤・着色剤・耐熱性が違い、用途適合の可否も変わります。無銘・素性不明の材料は、この時点で用途向け販売の候補から外すのが無難です。
STEP3:材料メーカーから用途向け資料を入手する
メーカーに対し、意図した用途向けの資料があるかを確認します。一般に存在しうる資料は、安全データシート(SDS)、技術データシート(TDS)、そして用途によっては適合宣言や試験成績など。 どの資料が必要・入手可能かは用途と材料で変わるため、具体的な聞き方は個別記事「食品衛生法適合証明の取り方」を参照してください。
STEP4:造形・後加工で用途要求を壊さない
材料が適合でも、作り方が要求を壊すことがあります。3Dプリント特有の論点として、積層による微細な隙間・空隙、離型剤や研磨・塗装・接着といった後加工、造形温度による材料変質などがあります。 用途要求(例:洗いやすさ、溶出しないこと)を壊していないかを、造形条件とセットで確認します。積層痕と衛生の関係は別記事「積層痕と衛生リスク」で詳述します。
STEP5:必要な表示・情報提供を用意する
用途によっては、製品や販売ページに表示すべき情報があります(用途、注意事項、素材、対象年齢など)。 何をどう表示すべきかは用途ごとの枠組みで定められている場合があるため、所管の基準を確認してください。
STEP6:記録を作り、保存する
証明は「資料を持っている」だけでなく「いつ・どのロットで・どの条件で作ったか」を辿れて完成します。最低限、材料の製品名とロット、入手した資料、造形条件、製造日、(あれば)検査結果、出荷先や販売時期を残します。
Q. どの資料を集めればよいか、最初から完璧に判断できません。
Q. すでに販売中の製品で、記録が無いものはどうすれば?
Q. 小ロット・多品種でロット管理が大変です。
関連して、用途判定の考え方は入門記事、証明が無い場合のリスクは注意喚起記事で補足しています。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法令・基準は改正されることがあり、個別の製品・状況により結論が変わります。最終的な判断は所管官庁・登録検査機関・専門家にご確認ください。
