自己適合宣言(DoC)とは——「自分で宣言する」の意味と責任

自己適合宣言(DoC)とは——「自分で宣言する」の意味と責任

CEの説明でよく出てくる「DoC」。Declaration of Conformity(適合宣言)の略で、日本語では自己適合宣言と呼ばれます。「第三者機関の合格証」ではなく「製造者・事業者が自分で適合を宣言する文書」という点が肝で、ここを理解すると認証の全体像がぐっと見通せます。

定義:自己適合宣言(DoC)とは、製造者(または責任を負う事業者)が、自らの責任で「この製品は該当する要求事項に適合している」と宣言する文書です。読み方は「じこてきごうせんげん」。対義語的な位置づけは「第三者認証(登録機関による検査・証明)」で、DoCは”自分で宣言・自分で保証”、第三者認証は”外部機関が検証”というコントラストになります。

「自分で宣言できる」=「責任も自分」

DoCの本質は、手続きが軽く見える一方で適合の裏付けと責任を自分が持つ点にあります。宣言する以上、それを支える技術文書(試験結果・設計資料・部品情報)を自分で用意・保管し、求められたら提示できなければなりません 。

⚠ 注意点「自己宣言だから簡単」と考えるのは危険です。宣言内容が誤っていた場合の責任は宣言者に返ってきます。楽なのは”手続きの入口”であって、”根拠づくり”は手を抜けません。
具体例CEでは多くの製品分野で、製造者が整えた技術文書をもとにDoCを作成し、CEマークを表示します。ただし分野によっては第三者機関の関与が必須で、その場合は”自分で宣言だけ”では済みません 。

日本の制度との関係

日本のPSEでも、区分によっては事業者側の適合確認・自主検査で対応できる部分と、登録検査機関の検査が要る部分があります。「どこまで自分で宣言でき、どこから第三者が必要か」の線引きは、CEでもPSEでも判断の分かれ目です 。

❌ 誤解「DoC(自己適合宣言)は自分で書く紙だから、内容はある程度自己申告でよい。」
✅ 正しくはDoCは根拠(技術文書・試験データ)に裏打ちされて初めて有効です。裏付けなき宣言は虚偽になり得ます。宣言=軽い、ではなく、宣言=自分が全責任、と理解しましょう。

DoCが中心になる制度の代表がCEです。CEとPSEの証明方式の違いは「CEとPSEは何が違うか」で、海外認証を日本でどう扱うかは「海外の認証(CE・FCC)は日本でそのまま使える?」で整理しています。

Q. DoCがあれば第三者試験はいらないのですか?
分野によります。自己宣言だけで足りる領域もあれば、第三者機関の関与が必須の領域もあります。製品がどちらかを見極めることが先決です 。
Q. DoCを支える技術文書は何を保管すればよいですか?
一般に、適用規格、試験結果、設計・部品情報、リスク評価などをまとめた技術文書を、定められた期間保管します。具体的な内容・年数は制度により異なるため確認してください 。

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法令・基準は改正されることがあり、個別の製品・状況により結論が変わります。最終的な判断は所管官庁・登録検査機関・専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

3Dプリンター歴10年以上・元大手メーカー開発職。3Dプリンター本体・関連製品を販売するEC事業者として、企業・個人向けの導入支援やセミナーも手がける。Japan RepRap Festival(JRRF)副代表。VoronやVZBotなどオープンソース機のチューニングから最新市販機の検証まで、実機ベースで発信しています。

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