子ども向けに作って売るときの安全基準ってなに?初心者向けにやさしく解説

子ども向けに作って売るときの安全基準ってなに?初心者向けにやさしく解説

3Dプリンターで小さなフィギュアやパズル、積み木のようなものを作って「子ども向けに売ってみたい」と思ったとき、まず気になるのが「これ、何かの基準を守らなきゃいけないの?」という点です。この記事では、子ども向け製品を売るときに関わってくる「安全基準」の全体像を、はじめての方向けにやさしく整理します。

定義:ここでいう「安全基準」とは、子どもが使う製品が安全であるために満たすことが求められる、法令上のルールや業界の自主基準の総称です。読み方はそのまま「あんぜんきじゅん」。対義語的に対比されるのは「無基準(何の確認もせず売る状態)」で、子ども向け製品では最も避けたい状態です。

ポイントは、子ども向け製品では「法律で決まっているルール」と「業界が自主的に定めたルール」の二層があることです。まずこの2つの違いをつかむと、全体が見えやすくなります。

まず知りたい:法令と自主基準の2種類がある

子ども向け製品に関わりうる代表的な枠組みには、次のようなものがあります。具体的な適用範囲・しきい値は製品によって変わるため、必ず最新情報の確認が必要です。

  • 食品衛生法(おもちゃの規格):乳幼児が口に接触することを想定した一部のおもちゃは、食品衛生法上「おもちゃ」として規制対象になりうるとされます 。対象品目や試験項目は政省令・告示で定められています。
  • ST基準(玩具安全基準):業界団体が定める自主基準で、認証を受けるとSTマークを表示できます 。これは法律ではなく自主基準です。
  • その他の法令:電池を使うなら別の枠組み、塗料・素材の安全性など、製品の仕様によって追加で関わるものがあります。
具体例3Dプリンターで作った小さな動物の人形を「対象年齢3歳未満」で売る場合、乳幼児が口に入れる可能性が高くなります。この場合、口に触れることを前提とした規制(食品衛生法上のおもちゃ規格など)の対象になりうるか、まず確認が必要です 。一方、対象年齢を高めに設定した組み立てモデルなどでは、着目すべき点が変わってきます。
⚠ 注意点「自主基準だから守らなくてもいい」と考えるのは早計です。ST基準のような自主基準でも、それが実質的に安全性の目安として広く使われている場合、満たしていないことが後々トラブルの火種になることがあります。逆に「STマークを取れば法律も全部クリア」というわけでもありません。法令と自主基準は別物として、両方を確認する姿勢が大切です。
❌ 誤解「個人がハンドメイドで少量売るだけなら、子ども向けでも安全基準は関係ない」
✅ 正しくは販売数量の多少や個人・法人の別で、法令の適用が一律に免除されるとは限りません。子どもが使うという性質上、少量販売でも対象になりうる規制があります。数量ではなく「何を・誰向けに売るか」で判断するのが基本です 。

関連して、素材そのものの安全性(3Dプリント用フィラメントや塗料に含まれうる成分)も子ども向けでは重要な論点です。詳しくは「3Dプリント玩具の誤飲・塗料リスク」の記事もあわせてご覧ください。

Q. 「対象年齢」を高く設定すれば、子ども向けの基準は避けられますか?
A. 対象年齢の設定は判断に影響する要素の一つですが、実際に幼い子どもが使う恐れが明らかな形状・大きさであれば、表示上の年齢だけで規制を回避できるとは限りません。実態に即した判断が必要です 。
Q. まず最初に何を調べればいいですか?
A. (1) その製品が食品衛生法上の「おもちゃ」に当たりうるか、(2) ST基準など業界の自主基準の対象か、(3) 使っている素材・塗料は子ども向けに適切か、の3点をざっくり確認するところから始めると整理しやすいです。個別の結論は所管官庁・登録検査機関にご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法令・基準は改正されることがあり、個別の製品・状況により結論が変わります。最終的な判断は所管官庁・登録検査機関・専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

3Dプリンター歴10年以上・元大手メーカー開発職。3Dプリンター本体・関連製品を販売するEC事業者として、企業・個人向けの導入支援やセミナーも手がける。Japan RepRap Festival(JRRF)副代表。VoronやVZBotなどオープンソース機のチューニングから最新市販機の検証まで、実機ベースで発信しています。

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