その製品、輸入したあなたが「作った人」扱いになる件、大丈夫ですか?

その製品、輸入したあなたが「作った人」扱いになる件、大丈夫ですか?

結論から言います。海外から仕入れて売るあなたは、事故が起きたとき「輸入した事業者」としてPL責任の矢面に立つ可能性があります。「作ったのは向こう」という感覚のまま販売を続けていると、いざというときに想定外の当事者になりかねません。恐怖を煽りたいのではなく、事実として知っておくべき落とし穴を、先に共有します。

定義(結論先出し):製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥で他人に損害が生じた場合、その製造物を製造・加工・輸入した事業者などに賠償責任を負わせる仕組みです。つまり「輸入して業として売る」行為は、責任という観点では「作る」に近い重みを持ちます。
⚠ 注意点最も多い落とし穴は、「小売のつもり」で実は「輸入者」になっているケースです。国内問屋から仕入れているつもりでも、実態として自分が海外から直接持ち込んでいれば、立場は輸入者に寄ります。プラットフォーム経由の海外直輸入・個人輸入代行の再販なども、実態次第で輸入者と評価されうる点に注意してください。

売るとどうなるか

欠陥が疑われる事故が起きると、被害者はまず国内で連絡が取れる事業者、つまりあなたに賠償を求めてくることが多いでしょう。海外メーカーへ求償できる可能性はあっても、それはあなたが一度対応した後の話。初動の説明・回収・賠償の窓口はあなたになりがちで、対応費用・時間・信用への影響は小さくありません。売上の裏側で、この「後始末の責任」が静かに積み上がっていきます。

❌ 誤解「うちは小さい個人事業。事故なんて滅多に起きないし、起きても海外メーカーの問題」
✅ 正しくは発想を変えましょう。頻度が低くても一件の重い事故で事業が傾くのがPLリスクの本質です。だからこそ「起きない前提」ではなく「起きたときに誰が負うか」を設計しておく——それが輸入して売る人の基本装備です。関連用語のPL保険は、その装備のひとつです。

自己チェック(当てはまるほど要注意)

  • 海外サイト・海外メーカーから直接、または代行を使って仕入れている
  • 仕入れ元との契約書に、事故時の責任分担・求償の定めがない
  • 製品に日本語の注意書き・警告表示を付けていない
  • ロット・仕入れ先・出荷先を記録していない(追跡できない)
  • PL保険に未加入、または補償範囲を確認していない

ひとつでも当てはまるなら、契約・表示・保険・記録の4点を早めに見直す価値があります。

Q. 「輸入代行に頼んだだけ」なら自分は輸入者ではない?
名目ではなく実態で判断される可能性があります。自分の事業として国内で売る目的で持ち込ませているなら、実質的な輸入者と見られる余地があります。代行契約の内容次第でもあるため、責任分担を書面で確認してください。
Q. まず何から手を付ければ?
現実的には「記録を残す(誰から仕入れ誰に売ったか)」「日本語の警告表示を付ける」「仕入れ契約に責任分担を書く」「PL保険を検討する」の順で整えると着手しやすいです。詳細は徹底解説の記事で手順化しています。

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法令・基準は改正されることがあり、個別の製品・状況により結論が変わります。最終的な判断は所管官庁・登録検査機関・専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

3Dプリンター歴10年以上・元大手メーカー開発職。3Dプリンター本体・関連製品を販売するEC事業者として、企業・個人向けの導入支援やセミナーも手がける。Japan RepRap Festival(JRRF)副代表。VoronやVZBotなどオープンソース機のチューニングから最新市販機の検証まで、実機ベースで発信しています。

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