売る前の「表示」ってなに?初心者向けにやさしく解説

売る前の「表示」ってなに?初心者向けにやさしく解説

3Dプリンターで作った製品を売るとき、意外と見落とされがちなのが「表示(ラベル)」です。「作ること」ばかりに気を取られて、製品や箱に何を書くべきかを後回しにすると、いざ販売という段階でつまずきます。この記事では、まず「表示ってそもそも何?」というところからやさしく解説します。

定義:ここでいう「表示」とは、製品本体・銘板(めいばん)・パッケージ・取扱説明書などに、法令や安全上のルールに基づいて記載しなければならない情報のことです。読み方は「ひょうじ」。対義語的に言えば、単なる「デザインとしてのロゴ」ではなく「義務として載せる情報」を指します。代表例に、電気用品の PSEマーク、無線機器の 技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)、そして誰が売っているかを示す 事業者名(表示者名) があります。

なぜ表示が必要なの?

表示は「買う人を守るため」と「責任の所在をはっきりさせるため」にあります。製品に不具合があったとき、誰が製造・販売したのかが分からなければ、買った人は困ってしまいます。だから多くの制度で「事業者名などの表示」が求められます。

具体例たとえば、モバイルバッテリーのような電気用品には、丸型または菱形の PSEマーク、定格(電圧・容量など)、そして届出事業者名の表示が求められる、というのが一般的な枠組みです。品目ごとに求められる具体的な様式は制度で細かく決まっています。

「PSE」と「技適」は何が違う?

初心者がよく混同するのがこの2つです。ざっくり分けると次のようになります。

  • PSE(電気用品安全法):コンセントや電池で動く「電気製品」の安全に関する表示。感電・発火などを防ぐ観点です。
  • 技適(電波法):Wi-FiやBluetoothなど「電波を出す機能」を持つ機器に関する表示。電波の混信・干渉を防ぐ観点です。

つまり「電気で動く」だけならPSE側の話、「電波を飛ばす」ならさらに技適の話、と目的が異なります。両方に該当する製品(Bluetooth内蔵の充電式機器など)もあり得ます。

❌ 誤解「自分で作った少量の製品だから、表示なんて要らないでしょ?」
✅ 正しくは数量の多い・少ないで義務の有無が単純に決まるわけではありません。対象品目に当てはまれば、少量でも表示や手続きが求められることがあります。まず「自分の製品がどの制度の対象か」を確認するのが出発点です。

なお、表示の中身をどう書くかは、関連用語である「取扱説明書」や「警告表示(ピクトグラム)」とも密接に関わります。あわせて確認すると理解が深まります。

Q. 3Dプリンターで筐体(ケース)だけ作って、中身の電子部品は市販品を組み込む場合も表示は要る?
A. 「完成品として何を売るか」で考えます。電気用品や無線機能を持つ完成品として販売するなら、その完成品に対して制度上の表示が必要になり得ます。ケースを作っただけか、製品として売るのかで扱いが変わるため、対象判定から始めてください。
Q. 表示は製品本体に刻印しないとダメ?シールでもいい?
A. 表示方法(刻印・印刷・ラベル貼付など)や消えにくさの要件は制度・品目ごとに定められています。「容易に消えない方法で」と求められることが多い一方、具体的な様式は個別確認が必要です。

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法令・基準は改正されることがあり、個別の製品・状況により結論が変わります。最終的な判断は所管官庁・登録検査機関・専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

3Dプリンター歴10年以上・元大手メーカー開発職。3Dプリンター本体・関連製品を販売するEC事業者として、企業・個人向けの導入支援やセミナーも手がける。Japan RepRap Festival(JRRF)副代表。VoronやVZBotなどオープンソース機のチューニングから最新市販機の検証まで、実機ベースで発信しています。

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