この記事の要点
- 電波を出す機器は「売る国ごと」に認証が違う:日本=技適、EU=CE(RED)、米国=FCC
- Wi-Fi/Bluetoothを積むだけで対象になる。技適のない無線機器の販売は、買い手を電波法違反に導く
- 個人の現実解は「技適取得済みの無線モジュールを、認証条件どおりに使う」こと
対象読者:電子工作・ガジェットを製品化したい方/難易度:★★★/読了目安:9分
※本記事は一般的な情報提供です。個別の該当性は総務省・登録証明機関等にご確認ください。
「電波は国ごとにルールが違う」が大原則
無線機能(Wi-Fi・Bluetooth・各種無線モジュール)を持つ製品は、販売する国ごとに別々の認証が必要です。同じ製品でも、日本で売るなら技適、EUならCEマーキング(無線指令RED)、米国ならFCC。ひとつ取れば世界で売れる、ではありません。
日本 — 技適(技術基準適合証明)
技適は、無線設備が電波法の技術基準に適合していることの証明。技適マークのない無線機器の使用は原則、電波法違反です。つまり技適のない無線ガジェットを売ることは、買った人を違法状態にする商売になります。海外から輸入した技適なし無線機器の販売は特に高リスク(輸入販売の記事)。
EU — CEマーキング(RED)/ 米国 — FCC
- CE(RED:無線機器指令) — EUで無線製品を売るなら必要。適合宣言書(DoC)と技術文書の作成・保管が製造者/輸入者の義務(CEマーキング)
- FCC — 米国の電波・電磁波規制。意図的に電波を出す機器だけでなく、デジタル回路を持つ機器も対象になり得る(FCC認証)
越境ECでEU・米国の消費者に直接売る場合も、これらの対象になり得ます。「国内向けだけ」なら技適に集中すればよいですが、海外展開の予定があるなら最初のモジュール選定から見据えておくと後が楽です。
個人の現実解 — 認証済みモジュールを正しく使う
- 技適取得済みの無線モジュールを採用する(技適版のマイコン/無線モジュール等)。認証の条件どおりに使えば、製品側の再認証を避けられる場合が多い
- アンテナ変更・改造をしない。モジュールの認証条件を外れると効力が失われ得る
- 無線を積まない選択。有線・USB・オフラインで成立する設計なら、電波法制の土俵に乗らない
- 電源が絡むならPSEも別途確認。技適(電波)とPSE(電気)は別の法律
まとめ
- 電波を出す製品は「売る国ごと」に認証が違う(日本=技適/EU=CE/米国=FCC)
- 技適なし無線機器の販売は、買い手を違法にする。認証済みモジュールを条件どおり使うのが基本
- 電源が絡めばPSEも別途。無線を積まない設計も有力な選択肢
次に読む:電気を使う製品とPSE / 海外製品の輸入販売 / 技適(用語)
