PL保険の入り方 — 個人事業主・副業メイカーの現実解

この記事の要点

  • PL保険(生産物賠償責任保険)は、売った製品が原因の対人・対物事故の賠償をカバーする保険。個人事業主でも入れる
  • 入り口は主に3つ: ①商工会議所・商工会の会員制度 ②ハンドメイド作家向け保険 ③保険会社の直接契約
  • 保険は「設計・表示の手抜きを許すもの」ではない。安全設計+警告表示+保険の3点セットで初めて機能する

対象読者:製品の販売を始める方・すでに売っている方/難易度:★★☆/読了目安:8分

※本記事は一般的な情報提供です。契約条件・保険料は必ず各窓口でご確認ください。

目次

なぜ月商数万円でも保険が要るのか

PL法の記事で見たとおり、個人でも継続販売すれば製造者としての賠償責任を負い得ます。そして賠償額は売上と比例しません。月商3万円の事業でも、対人事故1件で数百万〜数千万円の賠償があり得ます。売上の大小ではなく「事故が起きたときに人生が壊れるか」で判断するのが保険の考え方です。

個人が入れるPL保険・3つの入り口

① 商工会議所・商工会の会員向け制度(定番)

地域の商工会議所・商工会の会員(個人事業主可)になると、団体割引のPL保険制度に加入できることが多く、年会費+保険料で年数万円程度から現実的に収まるケースが多い入り口です。経営相談や補助金情報など会員特典も副次的なメリット。まず地元の商工会議所のサイトで「PL保険制度」「ビジネス総合保険」を確認してみてください。

② ハンドメイド・クリエイター向け保険

ハンドメイドマーケットや作家向け団体が用意する保険・補償制度で、販売プラットフォーム経由で入れる手軽さが利点です。ただし補償上限・対象品目(電気を使う製品や食品接触品が対象外のことがある)・国内販売限定かなど、約款の適用範囲は必ず確認してください。

③ 損害保険会社との直接契約

売上規模が大きくなったら、損保会社・代理店経由で事業内容に合わせた設計(生産物賠償+施設賠償+リコール費用など)を組みます。BtoB取引で「PL保険加入が取引条件」と言われた場合も、証券の写しを出せるのはこの形です。

加入前に確認する5項目

  1. 対象事業・品目 — 「3Dプリント品の製造販売」が引受対象か。電気部品・玩具・食品接触品は要申告
  2. 補償限度額と免責金額 — 対人1事故あたりいくらまでか、自己負担はいくらか
  3. 輸出・越境ECの扱い — 海外販売分は対象外の契約が多い。海外展開時は要再設計
  4. 受託製作の扱い — 他人の設計データを印刷した場合の責任分界(契約と保険の両方で手当て)
  5. 告知内容 — 売上見込み・品目を正直に。告知と違う事業での事故は支払われない恐れ

保険だけでは守れないもの

保険は賠償金をカバーしますが、回収対応の手間、ブランドの傷、販売停止の売上減はカバーしません。だからこそ順番は「①事故が起きにくい設計(安全率角の処理)→ ②誤使用を防ぐ警告表示 → ③それでも残るリスクに保険」。この順番で整えると、保険料区分でも有利になることがあります。

次に読む:PL法入門 / 品質管理(用語) / 販売前の総点検チェックリスト(メルマガ特典・準備中)

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この記事を書いた人

3Dプリンター歴10年以上・元大手メーカー開発職。3Dプリンター本体・関連製品を販売するEC事業者として、企業・個人向けの導入支援やセミナーも手がける。Japan RepRap Festival(JRRF)副代表。VoronやVZBotなどオープンソース機のチューニングから最新市販機の検証まで、実機ベースで発信しています。

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